縁(えにし)

科学万博つくば85へ

幸せなご縁により、思いがけない新たな扉が開かれました

「打吹公園だんご」大茶会へ出品。科学万博つくば'85昭和六十年(一九八五)三月、日本において『科学万博つくば'85』開催。百八十四日間にわたる期間中、三月二十五日を『お茶の日』として、なんと三千人規模の茶席が設けられました。世紀の大茶会を取り仕切られたのは、裏千家名誉師範・佐方宗礼先生。そして驚くことに、この日本の国内から唯一選ばれた茶菓は、石谷精華堂の打吹公園だんごでした。

そもそも、佐方先生と石谷精華堂との馴れ初めは、昭和四十年代、東京のデパートで開催された『鳥取県観光と物産展』において、偶然にも打吹公園だんごをお買い求めていただいたことに始まります。それ以降、必ずといっていいほど佐方先生のお茶会には、打吹公園だんごをご使用くださるほどのお気に入りようでした。

そんな幸せなご縁が続くある日、佐方先生から一本の電話が入ります。
「万博で開催する大茶会の茶菓として、打吹公園だんごを使用したいのです。三千六百人分が必要です」と。あまりのことの大きさに驚きもしましたが、たいへん栄誉なことと快諾いたしました。こうして全国からただ一つ、『科学万博つくば'85』における大茶会の出品となったわけです。
因みに、このときの代金ですが、佐方先生が全額お支払いになると聞き、差し出がましいとは思いましたが、石谷精華堂が無償でご提供させていただきました。

さて、万博当日、幸いにも大茶会での茶席サービスは大好評。鳥取空港から遙々持参した打吹公園だんごも、お陰様で全てなくなった次第です。そしてこのとき、「お菓子をおく懐紙におだんご紹介の形で印刷されたら如何でしょうか。皆興味をもって読んで下さることと思います」と佐方先生から頂戴していたアドバイスを実践。打吹公園だんごを乗せた懐紙には、「打吹公園」と「だんご」の由来を書かせていただきました。

科学万博つくば’85の様子